高齢になって、本人の意思はどれだけ聞き入れられる? 

通所介護…ディサービス(日中だけ通う高齢者対象の施設)やショートスティ(短い期間お泊まりできる施設)で働いていると考えることは多くある。

 

核家族化が進み、仕事の仕方も変わり定年の時期も延長されるようになってきた。

…つまりは介護する側も年齢が高くなってきているということ。

「自分たちの生活を守り、仕事に出かけ、自分の時間を大切にする。」

ご家族や周囲の方々の人生の一部のお手伝いをするのも「介護職」の大切な仕事。

利用者ご本人が安心して過ごすことができる「場」と「時間」を提供することも大切な仕事。

認知が年相応に進むのもあったり、疾病の一つ「認知症」が進むこともあったりで 『自分の意見、思い』がはっきりと言えない人もいることは事実。

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しかし、自分の意思を持ち「どこかに入れられるなら、ちゃんと話を聴かせてほしい」と言われたり「まだ入りたくない。もう少し体が動かなくなったら入るけど」や「自分の家が良い!」と強く思われている方も見えることは事実。

まだ元気な私自身も「できるだけ自分の家で最期を迎えたい」と考えるんだから、高齢者であれそう思うことは普通のことだと思う。

でも家族のことを考えると「施設で過ごしたほうがいいんだろうなぁ~」と考える当事者の方もいる。

 

ご本人の意思がはっきりしている中で、入所施設に送り出すことは正直 悲しかったり苦しかったりさみしかったりします。

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自分なりの努力をしている方も多くいるし、在宅介護施設や在宅介護を支援するヘルパーや訪問リハ、訪問介護、ケアマネージャーの方々の協力を得ることができたら ほんの少しでも在宅で過ごしたいという思いに寄り添うことができるではないか…そんな風に考えます。

実際、お互いの生活環境であったり、住んでいる場所の距離の問題であったり、ただ単にわがままであったり、問題はいろいろあります。

今現在 国内の入所施設は金額問題はおいておいて考えると約200万床はベッドがあるとデータがあります。実際 介護保険で要介護3以上の方は約120万人おられるとのデータがあります。単純に計算してもベッドは不足していない。

経営的なことを考えると入所施設を運営している方は「入居率を上げたい」という思いは痛いほどわかります。
ただ、高齢者本人の思いに寄り添う介護をしているのか…考えると悩みますね~

高齢者の意思、どれだけ聴いてもらえるか。
家族の中でどのように関わって、家族を創ってきたかで聴き方は変わってくるんだろうなぁ~

 

「人に寄り添う」人でありたいし、「人に寄り添う」仕事を選んだから悩むんだな。